8月8日、♯1が完成しました。
先尾翼機です。
主翼は前大会の予備機である「BOOING707Joyfull♯15C」のものを流用し、尾翼類もあまり設計変更せずに、作業効率重視で作られました。
写真がないので、その特徴的な外観をうまく表現できませんが、機体の胴体の真ん中に柱を立てて、その頂上にモーターとプロペラが設置されています。
推力線を重心と抗力の中心点付近に通すために、モーターは斜め上を向けて設置されました。
これは頭下げモーメントが発生すると予想されたからです。
しかしいざ滑走させてみると、全く離陸しようとはしません。
更には手投げをした時には、地面に突き刺さるかのように地面に向かっていきました。
当然それでカナードが大破したのですが、問題はそんなところではありません。
機首下げモーメントが働いているようなのです。
モーメント自体は推力を更に上に向けてやれば解決しそうなのですが、実はそうすると更に問題が発生してしまいます。
プロペラ後流を主翼が阻害してしますのです。
推量が上に向いているのなら、後流は下に向いてる訳で、結果、胴体付近にある主翼に後流がぶつかるわけです。
推力と同じだけの抗力を主翼が発生させていたのでは、いくらモーターががんばっても意味がありません。
その解決策を考えつつ、次の週に持ち越されました。
8月16日、♯2が完成しました。
モーターを主翼の前縁に設置し、胴体がプロペラを避けるように下に曲げられています。
階段のように曲がった胴体の先端にはカナードが取り付けられ、機体の異様な外観はさらに化け物じみたものになり、俗称としてカブトムシとかモンスターなどと呼ばれたりしたほどです。
エレベーターに動力が伝わるように、ベルクランクを使って糸を直角にまげています。
更に翌日の……
8月17日、♯2を飛行させるべく、体育館を各務原市から借り受け、さっそく滑走させることに。
しかし一向に離陸しようとしません。
どうやらまだ機首下げモーメントが働いているようなのです。
推力線は抗力の中心点を通っていなくてはならない――と言う事は、カナードが主翼の下にあっては抗力の中心点も機体の下側に存在することに……。
ならば、と、カナードを高い位置に設置することで、抗力の中心も機体上側に持ってくることが出来るはず。
更にカナードの面積を大きくしてやれば、機首下げモーメントに打ち勝つだけの揚力を発生させることも可能。
と言うことで、

BOOING717、那覇空港よりテイクオフ!
あぁぅっ、タグを外すのを忘れています!

BOOING717初飛行!
かろうじて、離陸できたと言うくらいで、星野パイロット程の腕がなければ、こんな狭い室内では飛行させられなかったところです。
カナードの取り付けが貧弱だったためか、非常に剛性が低く、見ていて分かるくらいにカナードが捩じれています。
と言うことで次の課題は、胴体の構造を丈夫にすること。
案としては双胴の真ん中にプロペラを設置する構造が、最も無難だと考えられるのですが、この構造は複雑で重くなる事が予想できます。
何よりも厳しいのが、主翼の取替えがしづらいと言うこと。
ジョイフルの特徴の一つとして、主翼を簡単に交換できて、故障しても直ぐに修理することが出来たのです。
この特徴を何とか生かしたい。
そんな思いから、♯1と同じ構造で、カナードを大きくすれば、きっと主翼の取り外しが容易でちゃんと飛行できる機体が作れるはず。
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